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二流の人がやってしまいがちな、部下の相談への対応

AI時代のリーダーの原則②

■ヒューマンスキル~ヒューマンスキルは潤滑油

 皆さんは過去上司からの言葉で傷ついたことはありますか?

 それはどんな言葉だったでしょうか?

 私も前職で上司に言われた言葉で落ち込んだことがあります。

 スーパーのマネジャーをしているときに、品切れをさせてお客様に叱られた場面です。

 お客様にお詫びして頭を挙げたときに、上司である副店長が通りすがりざまに「あーあ、また一人客が減った」と吐き捨てて言ったのです。

 彼の言っていることは間違っていません。私の責任でお客様が一人減ったのは事実です。

 しかし伝え方を少し変えるだけで、受け取り方も変わるものです。

 リーダーとして大事なのは、部下や情況に応じて伝え方を変えたり、配慮や労い、時には叱り方も変えることが求められています。

 これを対人関係力「ヒューマンスキル」と言います。

 私の研修で受講生に5段階で評価をつけてもらった結果を分析すると、「自分はリーダーとしてヒューマンスキルを常に発揮できている」とつけた方が7割ほどいます。

 しかし、実際の結果を見て振り返ると、できている人は3割に満たないのが現実です。

 リーダーは多忙ですので、時間の制約などがあるときには、ヒューマンスキルをまったく省いてしまいがちです。

 しかし、相手に影響を与えたり、指示どおり動いてもらうためには、いかに正論であろうと言葉の潤滑油が必要なのです。

 先ほどの私の例で言うと「客が減った」と伝えるより、「残念なことになったね。次はお客様にご迷惑をかけないようにしよう。君なら改善できるよ」などとヒューマンスキルを発揮するだけで、伝える側も、受け取り側もスムーズに意思伝達ができるのです。

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鳥原 隆志

とりはら たかし

株式会社インバスケット研究所 代表取締役。

1972年生まれ。大学卒業後、大手スーパーのダイエーに入社。販売部門や企画部門を経験し、10店舗を統括する店舗指導員(スーパーバイザー)として店長の指導や問題解決業務に従事する。管理職昇進試験時にインバスケットに出合い、研究・トレーニングを開始。その経験を活かして株式会社インバスケット研究所を設立。企業のリーダー研修などのためのインバスケット教材開発と導入をサポートする。日本で唯一のインバスケット・コンサルタントとして活動中。大企業の管理職研修など、1万5000人以上のリーダー育成を支援してきた。著書は『究極の判断力を身につけるインバスケット思考』(WAVE出版)など、40タイトル、累計50万部以上。



株式会社インバスケット研究所公式ホームページ

http://www.inbasket.co.jp/


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