二流の人がやってしまいがちな、部下の相談への対応
AI時代のリーダーの原則②
■ヒューマンスキル~ヒューマンスキルは潤滑油
皆さんは過去上司からの言葉で傷ついたことはありますか?
それはどんな言葉だったでしょうか?
私も前職で上司に言われた言葉で落ち込んだことがあります。
スーパーのマネジャーをしているときに、品切れをさせてお客様に叱られた場面です。
お客様にお詫びして頭を挙げたときに、上司である副店長が通りすがりざまに「あーあ、また一人客が減った」と吐き捨てて言ったのです。
彼の言っていることは間違っていません。私の責任でお客様が一人減ったのは事実です。
しかし伝え方を少し変えるだけで、受け取り方も変わるものです。
リーダーとして大事なのは、部下や情況に応じて伝え方を変えたり、配慮や労い、時には叱り方も変えることが求められています。
これを対人関係力「ヒューマンスキル」と言います。
私の研修で受講生に5段階で評価をつけてもらった結果を分析すると、「自分はリーダーとしてヒューマンスキルを常に発揮できている」とつけた方が7割ほどいます。
しかし、実際の結果を見て振り返ると、できている人は3割に満たないのが現実です。
リーダーは多忙ですので、時間の制約などがあるときには、ヒューマンスキルをまったく省いてしまいがちです。
しかし、相手に影響を与えたり、指示どおり動いてもらうためには、いかに正論であろうと言葉の潤滑油が必要なのです。
先ほどの私の例で言うと「客が減った」と伝えるより、「残念なことになったね。次はお客様にご迷惑をかけないようにしよう。君なら改善できるよ」などとヒューマンスキルを発揮するだけで、伝える側も、受け取り側もスムーズに意思伝達ができるのです。